セラミックス製品の営業をしています。当社のセラミックス製品には、大きくマシナブルセラミックス製品とファインセラミックス製品があります。お客様の注文は、リピート品もあれば新規製品もあります。リピート品であれば前回の見積もりを参考にしながら見積書を作成していますが、新規製品の場合は、まずはお客様から図面を頂き、仕様について製造担当者と確認し見積もりを作成しています。セラミックスは高温環境で使用されるため、形状や公差条件が厳しいものもあり、製造との調整が必要になることも多くあります。時にはお客様からの図面通りでは製造が難しいこともあります。その場合は、製造にお客様の仕様に合わせて図面を作成してもらい、逆提案させて頂くこともあります。お客様からは、「仕様変更になってもできることを提案して頂けることは非常に助かる」と言われ、これこそが技術営業の仕事だと思っています。受注が決まれば、納期までしっかり管理していきます。特にマシナブルセラミックス製品は短納期での依頼が多いため、スピードが求められる仕事になります。

お客様からマシナブルセラミックス製品の依頼があり、製品図面を入手しました。角に丸みを帯びさせる四角い製品でしたが、サイズの記載もあったので大丈夫だろうと考え、製造に依頼をしました。製造からは、丸みの内側までの寸法なのか外側の寸法なのか明確に記載して欲しいとの指摘があり、内側までの寸法での図面を工場にて作成してもらいました。それを元にお客様へ問い合わせを行い、そのまま内側までの寸法で製造することで進めることができました。公差やサイズについては確認しているつもりでしたが、実際に製造する現場での視点が抜けていたように感じ、次の案件以降は詳細まで確認するようにしております。今回は、内側の寸法だったため大きな問題にはならなかったですが、外側であれば加工から作り直しになりお客様への納期を守ることもできなくなるところでした。

大学時代は分析系を専攻していたことと父親が研究者だったこともあり、エネルギー系の安定した企業の品質保証の仕事か開発の仕事を希望していました。一方で、専攻よりは自分自身の強みを見て欲しいという思いも持っていました。特に高校時代はサッカー部部長をやっており、リーダーシップやコミュニケーション力を身に付けたと思っていたので、その能力が活かせるほうが自分には合っているかもしれないと考えながら就職活動を行っていました。その時に当社と出会い技術営業の仕事はどうですかと薦められ、営業のイメージはなかなか持てなかったのですが、自分自身の強みを評価して頂けたと感じ入社を決めました。新人研修で各工場での研修を行った際に製品や製造工程の説明を受ける中で、最終製品だけでなく、なぜそのような工程なのか、なぜそのような材料を使っているかなど、いろいろと理系視点で質問ができました。そのことで製造の講師の方々との信頼関係の構築にもつなげることができたと感じております。また仕事上必要な論文などを読むにしても、理系知識があることで理解もしやすいと感じており、学生時代の経験も十分に活かせているように感じております。